面接室に入る時って、なにかマナーがあるんですか?
もちろん、ありますよ。
面接官はそこもしっかり見ているので、ちゃんと練習していきましょう!
面接室に入る時から面接は始まっています。終わった後も、面接室から出るまで気は抜けません。面接官はあなたがどのように部屋を出入りするのかを見るために、わざわざ扉を開けさせるのです。
基本的なマナーをしっかり覚えて、練習してから臨むようにしましょう。
- 初めての転職面接が控え、面接マナーに不安がある第二新卒者
- 面接対策の準備として当日のイメージを固めていきたい転職者
面接室への入室の仕方
えー…入室の仕方なんて見られるんですか…
見ていますよ!
基本的なマナーを判断するために、実はうってつけなんですよ。
面接室の入退室は、数少ない“動きのチェック”が出来る場です。
少しでも判断材料を増やすため、わざわざ入室のシチュエーションを用意したりもします。
具体的な基本動作の流れはこちら。
スムーズに“慣れた”感じで動けるように自宅でもシュミレーションやってみましょう。
- ノック
- ドアの開閉
- お辞儀
- 挨拶
- 着席
①ノック
基本的には“コンコンコン”と『3回』ノックをします。正式に最も丁寧なノックは“コンコン、コンコン”の4回と言われていますが、ビジネスの場で使うことはあまりないのが事実です。
もし他の社員さんが4回ノックをするのを見かけたら、その会社では4回。3回でやっていたら3回。相手の常識に合わせるとよいでしょう。
- 扉が開いていてもノック
- 大きすぎないように
扉が開いていても、中を覗く前にノックしましょう。
“ドンドン”と元気すぎるノックも失礼なので、聞こえる程度の強さでノックします。
②ドアの開閉
「どうぞ」と言われたら、まず「失礼します」と言ってから扉を開けます。
あまり大きな音を立てないように、勢いよく開け過ぎないように注意してください。
中に入ったら扉の方を向き丁寧に閉めます。ドアノブを回しながら閉めて音が出ないようにすると丁寧に見えます。
- 音はしずかに
- 開閉はゆっくりと
- 扉の方を向いて閉める
③お辞儀
面接官と目を合わせ、「よろしくお願いします」と言ってからお辞儀をします。これを分離礼と言い、発声と同時にお辞儀するよりも誠実に見えます。
お辞儀は頭だけでなく、腰から曲げるようにしましょう。角度は30度が一般的ですが、面接に臨む気持ちも込めて深めに下げてもいいでしょう。
顔を上げたらもう一度目を合わせることで、より“あなたに”という誠意が伝わります。
綺麗な形も大事ですが、真剣さや誠意を伝える第一印象の重要なステップです。
- 目を合わせる
- 気持ちのこもったお辞儀
- もう一度目を合わせる
④挨拶
移動して席の隣に立って姿勢を正し、挨拶をします。
「本日は面接のお時間を頂きありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願い致します。」
ここでも分離礼をしましょう。
先ほどよりも近く、初めてまともなコミュニケーションが取れる位置での挨拶です。もっともダイレクトに第一印象が伝わります。③と同じチェックポイントを確認し、感謝と誠意が伝わる挨拶を心がけてください。
⑤着席
面接官から「お座りください」「どうぞ」など声をかけられたら、「失礼致します。」と言って着席しましょう。
この時、カバンは椅子の横に置きます。もしリュックだった場合、入室前には肩から外し手に持っておきましょう。
もちろん、いきなり腰かけまでどしりと座らないよう、背筋を伸ばして座りましょう。
面接室へ面接官より先に入った場合
あれ?
そういえば先日の面接では先に部屋に通されましたよ?
そんな場合も多いですよね!
そんな時にはより注意してほしいことがあります。
- 指示が無ければ立っておく
- 座る位置は下座
- いつでも見られている意識
先に面接室へ通された場合は、一人で待つことになります。そんな時にどう振舞えばいいのかも頭に入れておきましょう。
まず、「お座りになってお待ちください」と言われた場合には座りますが、特に指示がなかった場合は立って待つのが基本です。
座る場合には下座なので、“ドアの近く”に座ります。
また、待っている間にダラリと座っていたりスマホを見ていたりするのはやめましょう。
いつどこで見られているか、いつ突然扉が開くか分かりません。
面接官が入って来るのは後ろからになることが多いかもしれません。ノックなしで入ってくることもありますので、入ってきそうな気配がしたらサッと立ち上がり、挨拶の準備をしましょう。
目が合った瞬間に、③から始めてください。
入室時~面接官は何をチェックしている?
結局、何をチェックされてるんでしょう・・・?
面接官はあなたが社会人としての仲間にふさわしいかを見ているんですよ。
どんなに優秀な成績であっても、学歴がどんなに良くても、なぜ面接があるのかということを考えてみましょう。
会社側は、あなたの「非認知能力」を感じ取りたいのです。
数字や点数では測れない能力のこと。
- 社会人として誠意を表す作法が出来る人なのか
- 面接に来るということがどういうことなのかを分かっているのか
- どのぐらい会社に入りたいという動機が強いのか
これらを判断する時に、言葉だけを信用するわけにはいきません。あなたの表情や視線、声色から態度を読み取りたい。作法を準備してきたか、事前に練習や場数を踏んできたかで入社への気持ちを汲み取りたい。
面接で自分に時間を使ってくれているという感謝を全身で表現できるか確認したい。だからわざわざ面接をするんですね。
面接室からの退室の仕方
ふう~!入室の練習はしたし、
もうバッチリですね!
ちょっと待ってください。
退室の時にも油断しないで下さいね。
退室の流れはこのようになります。
- お礼
- 立ち上がる
- お辞儀
- 移動
- 再お辞儀
- ドアの開閉
①②はその場の状況に応じて逆になるかもしれません。
「本日はお時間を頂き、ありがとうございました。」と言った後にはお辞儀をしてください。
座ったままお礼を言ってお辞儀をし席を立つか、席を立ってからお礼を言いお辞儀をするかです。面接官が立ち上がった場合は立ってお礼を言いましょう。
最後なので「よろしくお願いします」という気持ちを込めた挨拶を心掛けてください。
カバンを取りドアに向かって移動したら、ドアの前でもう一度面接官に向き直り「失礼します」と言ってお辞儀。「ありがとうございました」をもう一度付け加えてもいいですね。
ドアの開閉はやはり静かに、慌てずゆっくりと行いましょう。閉める時にはなるべく音を出さず、ノブを回したまま閉めるといいでしょう。
ドアが閉まりきる前に油断した顔を見せるなどがないように、会場を後にするまでは気を抜かないようにしてください。
面接室から面接官と一緒に出る場合
面接官が出口まで送ってくれる場合もあります。「緊張した?」など声をかけてくれることもあるでしょう。
そんな時は少しリラックスした本来の自分の魅力をアピールするチャンスでもあります。面接官も“素のあなたを見たい”と思っているからこそ話しかけています。
ガラッと態度を変えてしまうのはNGですが、笑顔で朗らかに、素直に返答しましょう。
また、もう一度ドアから出る動作や靴を履く動作があるかもしれません。
特に靴を脱いだり履いたりするのは想定外かもしれません。靴を投げるように置いたり履くときにつま先をトントンしたりせず、スマートに靴ベラを使って履けるようにしておきましょう。
歩き方もかかとを“ズッ”ト擦らないように、しっかりとした足取りで歩くように心掛けてください。
退室時~面接官は何をチェックしている?
いや~、気を付けることが多くて目が回ります~。。
最初はそうかもしれませんね。
でも、本当に最初だけですよ。
「最初だけ」ということは、社会人ならその程度はできて当たり前ということでもあります。しかも練習さえすれば誰でもできるようになること。
面接官が見たいのは、あなたが社会人として当たり前のことができるのかどうかです。仕事が始まると、あなたがお客様の事務所に行くこともあるかもしれません。
そんな時にあなたは“会社の顔”です。
会社はお客様との信頼関係を守るため、社会人としてのマナーができない人を仲間として迎え入れるわけにはいきません。
面接でそれを早めに練習するだけ!何度も練習しておけば絶対に大丈夫ですよ。
『入退室は必ず練習しておこう!』
面接室への入退室は、必ず練習しておきましょう。
なぜなら、日常生活の中でこのような場面はきっとなかったはずだからです。
それでも、面接官は自然な動きが出来るかどうかをチェックしています。
そのぐらいの準備が出来ていないようでは、お客様先に行った時にもきっと準備不足で失礼な態度を取ってしまうだろうと思うからです。
家の扉を使って何度も練習し、自然な動きが出来るようになっておきましょう!